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コロニードッグに入港中の巡洋艦エイプリルの横に同型のサラミス級巡洋艦が移動していた。
「巡洋艦マイアミ入港します」
リケンベはブリッジの強化ガラス越しにその姿を見つめていた。
「戦力が集まってきたわね」
すぐ横にいつのまにか艦長のライスが立っていた。
「ああ、外にはあと一隻のサラミス級とジム小隊。先に捜索作戦を展開している艦隊が三隻とジム部隊。いい数だ
な。さらには索敵用ボールの増援も要請したしね」
そう言ってリケンベはコーヒーを啜った。
「この間、デイモンとは?」
ライスはニヤリとしながらリケンベの肩を叩いた。
「気になる? 」
「ん? そうだな……でも、まあいいさ」
そう言ってリケンベはもう一度、コーヒーを啜った。
「ガンダムの装備を一新するんだ」
「何?」
「ガンダムのテストパーツを全部かき集めた。それと新型のモビルスーツ用アサルトライフルもだ。メガ粒子ビームとラ
イフル弾を兼用できるタイプ。面白いだろ?」
「最高ね」
「あともうひとつプランがある」
「一体、何を企んでいるのかしら? このイタズラ坊主は」
「おびき寄せるんだよ。ファントムを」
格納庫ではガンダム3番機がクレーンで持ちあがげられ移動されてきた。
損傷部分は全て改修されていて左腕に装着されたシールドはかなり厚みを増していていた。
ミナはガンダムを見上げた。
その横に整備兵で幼馴染のナッシュの声がした。
「ミナ、もういいのかい?」
見上げるとガンダムの肩からナッシュが手を振っていた。
「あ、ナッシュ?」
ナッシュはミナの横に飛び降りてきた。ドッグは無重力下にある。飛び降りるというより飛ぶといった感じだ。
「装甲シールドに特殊なコーティングをした。実験段階だけど粒子ビームの拡散を促がす。つまり防弾コーティング」
「すごい」
「計算では2、3発の直撃には耐えれるらしい。本当に計算上だけど……リケンベ中佐もよくこんなモンを見つけてく
るよ」
「なんだか外装も少し変ったね、ガンダム」
「そうだろ? どう? おれのカスタムは」
「どうって? うーん……なんかその……」
「かっこいいだろ?」
得意げなナッシュに愛想笑いをするミナ。
「ちょっと物々しすぎない? ちょっとだけど……」
「そうかなぁ」
ナッシュは腕組みしながらガンダムの見上げた。
「好きなんだよ。男の子は、こうゆうのさ」
そのFガンダム3号機の横を別のガンダムが隔壁ブロックに向って移動していた。
「あれは……?」
「Fガンダム2号機。ハーネットさんのだ」
背中に巨大なガトリングガンが背負わされている。レッグパーツもどこか頑強に補強の跡がみえる。
「私のガンダムの仕様と違うね」
「ああ、俺たちも色々試してんだ。元々汎用機なんだよ、ガンダムって。リケンベ中佐がありったけのテストパーツを取
り寄せたんだ」
「じゃあ、デイモン大尉も」
「あの人のガンダムはセットアップだけで改造しなかったけど武器装備に長距離型のライフルを選んだんだよ」
サラミスの船体の上でFガンダム1号機が18mを越える銃身を振り回した。
ルナチタン製のライフル弾を装填したモビルスーツ狙撃用長距離ライフルMSR−1はその銃口を月に向けた。
「バーン!」
デイモンはコクピットスクリーンに向って引き金を引く仕草をした。
『どうです? 対艦アサルトライフルの感じは』
整備スタッフの一人から通信が入る。デイモンは機嫌良さそうに返事をした。
「いいね。グラナダ※も吹き飛ばせそうだぜ」
機嫌よさ気に答えるデイモンはシステムのチェックを始めた。
『届きますよ』
「はあ?」
『初速は保てませんが慣性で月までは到達できます』
通信の声はあっさりとそう言った。
「益々気に入ったぜ」
※グラナダ 元ジオン公国の月面軍事拠点。現在は地球連邦軍が接収。
ガンダム3号機のコクピットが閉じる。
ミナはシートベルトをするとシステムチェックを始めた。
「戻ってきたよ。ガンダム」
ガンダムは新型のMA−80ライフルを掴むと通称"キャッツ"と呼ばれるカタパルトに向った。
『"フレア3"所定の位置につけ』
Fガンダムが指示のとおりカタパルトに足をかけた。
『お帰り、"リトル"』
ナビゲーターが挨拶交じりの誘導をした。
「ただいま、エッグ。留守の間に何かあった?」
『あるぜ、フレア1とエイプリル1が接近だ』
「うっそ! まじで?」
指揮席についたモニター越しにカタパルトに載ったFガンダムを見つけた。
「"リトル"の復帰ね。大丈夫なの? 彼女」
「さあね、どうなんでしょ?」
横に立つ副官は素っ気無く言う。
「彼女はいいパイロットだわ」
「そうですね」
ライスは足を組みなおすと口に指をやりモニターを見つめる。
「私は好き。だって彼女ってすごく、かわいいんだもの」
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