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3隻のムサイが一斉に主砲を発射した。
メガ粒子ビームは真っ直ぐサラミス艦隊に向かって線を描いていく。
目標を外れたビームがサラミス級巡洋艦の横を通り過ぎる。
「目標、ジオン艦隊! メガ粒子砲発射!」
サラミス級巡洋艦の5隻は一斉に反撃の砲撃を開始した。
その内の一発がムサイ級の一隻に着弾した。爆発で大きく傾くムサイ。
手駒のモビルスーツ隊は既に半数を撃墜されていた。残ったモビルスーツも連邦軍のモビルスーツと交戦中でサラ
ミス攻撃にまで辿り着きそうもない。
艦長で艦隊指揮官のスワイン少佐は撤退か徹底交戦か砲撃が始まった今でも迷っていた。
その真逆にあたるサラミスの後方ではルントヘット大佐の偽装コルベットが戦局を見守っていた。サラミス艦隊も偽
装コルベット艦は気にも留めていない。
「どうします? 大佐」
サラミスの後方に位置づけてるとはいえ、コルベットの火力は少ない。5隻を相手にするには心もとなかった。
「ダークスターとエンジェルは?」
ルントヘットは苛立ち気味に言った。
「ダークスターは最初に現れたサラミスの迎撃に向ったままです。散布し過ぎたミノフの影響でまだ通信が回復しま
せん。エンジェルはさっきから発信ビーコンが途絶えています」
「光通信に切り替え」
「大佐、エンジェルはもう……」
「黙れ。通信を続けろ」
きつい口調の後、大佐は少し考えてから再び口を開いた。
「帰還命令の信号弾を放て。撤退に移行する」
「連邦の艦隊が気付くきませんかね」
「いや、連邦艦隊はムサイ艦隊に集中している。こちらには艦は回さないさ」
そう言いながら指揮椅子に座るルントヘット大佐。コルベット艦から発光弾が発射された。コルベット艦の頭上で宇
宙空間に2色の発光が広がっていく。特殊な波長の光は離れた距離にもその軌跡を送った。
その頃、戦場の端では二発目のルナチタン製の弾丸が宇宙空間を突き進んでいた。
ビームじゃない!
対ビームシールドは役に立たないと判断したファントムはゲルググに装甲シールドを上げさせた。しかし高粒子に包
まれた弾丸はシールドを貫通してゲルググのショルダーを吹き飛ばす。
「ちっ!」
ファントムは舌打ちして機体を右に逃がした。
サラミスの船体の上でライフルを構えていたデイモン大尉のFガンダムは第三弾を装填していた。
「外した……やるじゃないかファントム」
黒いゲルググはサラミスへの直進コースを一旦回避した。それを追う様にサラミスからの対空砲火が始まる。
「まてまて! 撃墜するなって!」
デイモンはサラミスの指揮官に向って叫んだ。
『奴はこっちを沈める気だ。黙っていられるか!』
サラミス巡洋艦の機銃群の銃弾が黒いゲルググ一点に絞られる。銃弾の波はきれいに黒いモビルスーツを追って
いった。再びコースを変えるゲルググ。目標はサラミス級だ。
「そういうの"小癪"ってんだぜ!」
ビームライフルを連射した。サラミスの左舷部に粒子ビームが貫通する。少し間を置いて船体から爆発の炎が上が
った!
船体が大きく揺れるデイモンのFガンダムも一緒に傾く。
「狙いがつかない! くそっ! 接近させ過ぎた」
照準を外したデイモンは長距離ライフルを切り離すとMA80ライフルを装備しなおす。
「接近戦か。しかたねえな」
デイモンのFガンダムがサラミスの船体から飛び立った。
ファントムは後方からくるモビルスーツに気がついた。
「さっきの狙撃してきた奴か」
サラミスへのもう一撃を画策していたファントムは目標を追撃してくるMS迎撃に変える事にした。
船団の交戦も気になる。ここは早く片をつける。
ゲルググは反転行動に移った。
Fガンダムはシールドで身を隠した。シールドのコーティングは2、3発のビームには耐えれるだろう。その間にゲル
ググ狙撃のチャンスはある。
デイモンは勝負に出る事を決めた。
「俺だって一年戦争を生き抜いてるんだぜ、ファントムさんよぉ」
ゲルググはシールドを作動させた。
コンピュータで接近する敵の映像を解析する。装備している武器はデータに無かった。
新型のビームライフルか? それともマシンガンなのか?
ゲルググの破損して半分欠けた装甲シールドで再び機体を覆う。無いよりはマシだ。
片手にビームサーベルを準備する。狙撃を失敗した時の備えだ。
射程距離に入った。それはFガンダムも同じだった。
二機のモビルスーツは、ほぼ同時に発砲した。ゲルググは粒子ビーム。ガンダムはライフル甲弾だ。ゲルググの粒
子ビームの方がコンマ数秒早く着弾する。強力なビームはFガンダムのシールドを弾き飛ばした。
甲弾がシールドの隙間を縫ってゲルググの機体を貫く!
「やるな!」
交差する瞬間を狙ってゲルググのビームサーベルがガンダムのコクピット部を狙った。
「ちっ!」
急制動をかけるデイモン。機体は止まらないがゲルググの一撃のタイミングをずらした。コクピットより僅かに上部に
ビームサーベルが喰い込む。嫌な振動が響いた。
ガンダムの機体はバランスを崩してはじけ飛ぶように離れていった。
「仕損じた!」
ゲルググは回転しながら吹き飛んでいくガンダムにビームライフルを向けた。
「消えな! ガンダム!」
しかし先に発砲してきたのはガンダムの方だった。急旋回してビームを避けるゲルググ。
「戦闘力がまだ残ってるのか……いや、違う」
モニターには二つの機影が映っていた。一機は真っ直ぐ向かってくる。
「ガンダム! もう一機か!」
片腕のガンダムが姿を現した。
そしてこの感覚には覚えがあるものだった。
「いつかの奴かよ!」
ガンダムが発砲を開始した。ビームライフルの幾つもの矢がゲルググを襲った。
対ビームシールドが粒子ビームうを弾き返す。ゲルググの直前のフェールドで拡散する粒子ビームが光輝いた。
一瞬、モニターがホワイトアウトする。再び映像が映った時に現れたのは片腕のガンダムだった!
「こいつ!」
ゲルググは旋回してガンダムを避ける。
次に目の前に現れたのは連邦軍モビルスーツの集団だった。
「おいおい」
ゲルググは機体を片腕のガンダムに向けた。その背後にもモビルスーツの編隊が見える。
「はっはは! これって罠ってことだよな。ガンダムさんよぉ!」
ファントムは笑い出した。操縦桿を傾けバーニヤを急速操作しゲルググの方向を変えていくr。
黒いゲルググは片腕のガンダムに向って突っこんでいく。
「ケリをつけにきたよ! ファントム!」
ミナはMA80ライフルをゲルググに向けた。
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