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Dファクトリー

0、プロローグ
二稿目


「はい、これが約束のもの」
 青い髪の魔女は、そう言って"札"を目の前の男に渡した。
「これですか、魔法の護符は」
「ご要望どおりにしてあります。これを貼った場所には誰であろうと近づけませんよ」
「ほう」
 男は、"魔法の護符"を珍しそうに眺めた。その間、魔女は部屋の中を見渡して時間をつぶす。高価そうな置物が目についた。やはり金持ちは違う。今座っている椅子の座り心地も随分いい。上等なものに違いない。
「貼るとどうなります?」
「その場所を守る為に怪物が現れるです。しかも最高に凶暴な」
「いいですね。で、どのくらい凶暴なんですか?」
「一国の軍隊が来ても相手ができるくらい」
「おお、ますますいい! ありがとう、キーラ・M・キャメルン。さすが噂の魔女様だ」
 男は満足げな表情でそう言った。そして召使に合図をすると金貨の入った袋を持ってこさせた。
「どうぞ。これがお礼です」
「お約束より多い気がしますね」
 袋を受け取ったキーラは重さに気が付いてそう言った。
「あなたは、十分に私の望みを叶えてくれた。上乗せは私の感謝の気持ちです。どうぞ遠慮なく受け取ってください」
「では、お言葉に甘えて」
 魔女は金貨の袋をバッグにしまった。
「話は変わりますが、あなたの髪は随分素敵だ」
「そ、それはどうも」
 キーラの頬が少しばかり赤くなる。
「こいういのをなんですが私は美しい長い髪が好きでね。実は私の宝物も……」
 男は、言葉を止めた。
「……宝物も?」
「いえ、なんでも。本当にいい仕事をしてくれた。どうもありがとう」
 男は満足げにそう言った。



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